日本歯科衛生学会学術大会 ポスター発表(2015/9/20-22)

レポート

平成27年9月20日~22日に札幌コンベンションセンターにて、 日本歯科衛生学会第10回学術大会が開催されました。

大会メインテーマ:「食べる楽しみを支える口腔ケア」

日本口腔保健協会では、薬用洗口剤を使用している人の口腔保健状況についてまとめ、ポスター発表をしました。

 

日本口腔保健協会では、5年前から「3ステップケア」を推進しており、セルフケアに薬用洗口液を併用している人は、お口の健康状態が良いことがわかりました!

 

「職域成人における洗口液使用者の口腔保健状況-歯みがき習慣に併用した効果-」

発表内容をご紹介いたします。

 

  目 的


職域成人の口腔清掃習慣は、口腔の健康保持を目的に、歯磨きや歯間部清掃に併用して洗口液を使用する者が増加している。そこで、歯磨き・歯間部清掃に併用して洗口液を使用している者の口腔保健状況を調べ、若干の知見を得たので報告する。

 

対象および方法

対  象

2014年度4月~1月に職場で歯科保指導を受けた男性11,157名のうち、歯磨き回数が1日2回以上の者8,877名とした(表1)。

倫理的配慮として、本研究は、同意が得られた複数の健康保険組合から匿名化したデータの提供を受け、これを分析に用いた。
なお、対象者の年齢階級別内訳は表2のとおりである。

調査項目

歯みがき回数2回以上の者について、歯間部清掃器具使用習慣(1回以上/週)、洗口液使用習慣(1回以上/週)を調べた。
また、口腔清掃習慣毎に、歯磨きのみの者をⅠ群(4,253名)、歯磨き+ 洗口液使用者をⅡ群(1,345名)、歯磨き+歯間部清掃器具使用者をⅢ群(1,880名)、歯磨き+歯間部清掃器具+洗口液使用者をⅣ群(1,399名)とした(表3)。

口腔保健状況は、歯垢付着状態良好者、歯石沈着状態良好者、 歯肉健康者の3項目とした。

 

調査方法

歯磨き回数、歯間部清掃器具使用習慣、洗口液使用習慣は、歯科保健指導時に直接本人から聞き取り記録した。
口腔保健状況3項目については、以下の基準で行った。
■歯垢付着状態良好者 OHI評価基準 DI指数0~1の者
■歯石沈着状態良好者 OHI〃価基準 CI指数0~1の者
■歯肉健康者良好者  CPI 診査基準 コード0の者  指定歯法 コード2の内 出血所見なしの者

 

統計分析

口腔保健状況3項目についてX2検定を用いた。

Ⅰ群~Ⅳ群の調査項目間の検討では、同一項目を4回繰り返し分析に用いているためBonfferoniの補正による多重比較とした。(有意水準:P<0.0125および0.0025)

統計分析にはIBM SPSS Statistics 18(日本IBM,東京)を使用。

 

結果および考察

口腔清掃習慣Ⅰ群~Ⅳ群別の口腔保健状況は、歯垢付着状態良好者は、Ⅰ群46.5%、Ⅱ群55.8%、Ⅲ群59.7%、Ⅳ群67.3%であり、Ⅳ群において最も高い割合であった。

図1

Ⅰ群「歯磨きのみ」とⅡ群「Ⅰ群+洗口液」との比較では、Ⅱ群が9ポイント高く、Ⅲ群「歯磨き+歯間部清掃」とⅣ群「Ⅲ群+洗口液」との比較においてもⅣ群が8ポイント高く、洗口液を併用している群において歯垢付着状態良好者の割合の高いことが認められた

 

図2

歯石沈着状態良好者は、Ⅰ群45.7%、Ⅱ群52.9%、Ⅲ群61.9%、Ⅳ群66.2%であり、Ⅳ群において最も高い割合であった。

Ⅰ群「歯磨きのみ」とⅡ群「Ⅰ群+洗口液」の比較では、Ⅱ群が7ポイント高く、Ⅲ群「歯磨き+歯間部清掃」とⅣ群「Ⅲ群+洗口液」の比較においてもⅣ群が4ポイント高く、洗口液を併用している群において歯石沈着状態良好者の割合が高いことが認められた

 

図3

歯肉健康者は、Ⅰ群18.2%、Ⅱ群21.0%、Ⅲ群26.9%、Ⅳ群34.1%であり、Ⅳ群において最も高い割合となった。

Ⅰ群「歯磨きのみ」とⅡ群「Ⅰ群+洗口液」の比較では歯肉健康者の割合が3ポイント高いものの有意差は認められなかったが、Ⅲ群「歯磨き+歯間部清掃」とⅣ群「Ⅲ群+洗口液」の比較では7ポイント高く、有意差が認められた

以上のことから、

歯磨き・歯間部清掃に洗口液を併用するセルフケア実行者には、歯垢付着・歯石沈着状態良好者が有意に多く、歯肉健康者の割合が高いことが認められた。

 

結 論

今回の結果から、職域成人(男性)において、歯ブラシ、歯間部清掃器具による機械的清掃に洗口液を併用している者は、口腔保健状況良好者が多いことが確認できた。

近年、歯周病予防、口臭予防を目的としたオーラルケア用品が多く販売され、職域成人においても特に洗口液への関心が高まっている。

日本口腔保健協会では、5年前からセルフケアに洗口液の併用を推進し、「口腔全体のケアが必要であること」、「薬用洗口液よる化学的口腔清掃の効果」を保健指導に加えている。

今後も職域成人のセルフケア向上を目標とした歯科保健指導においては、歯磨き・歯間部清掃に洗口液を併用した3ステップケアの実施を支援することが効果的であると考えられた。

以上です。

貴重な時間を割き、お読み下さいましてありがとうございました。

日本口腔保健協会 保健事業部 鈴木 03-3818-4158

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