日本歯科衛生学会学術大会で発表しました(2016/9/17~19)

レポート

2016年9月17日~19日に広島国際会議場において、日本歯科衛生学会第11回大会が開催されました。
大会メインテーマ:「口からはじまる健康長寿-多職種連携で支えよう-」
詳細は日本歯科衛生士会HPへ

日本口腔保健協会では
職域歯科保健活動における口腔細菌数測定装置の活用効果について」
という題目で、
ポスター発表をいたしました。
発表内容をご紹介いたします。

目的

口腔保健への意識向上とセルフケアの動機づけ強化を目的に、職域歯科保健活動において口腔細菌数測定(以下、「細菌数測定」という。)を実施している。今回は、細菌数測定レベル別の歯みがき習慣および口腔保健状況との関連性を調べ、若干の知見を得たので報告する。また、細菌数測定後にアンケートによる意識調査を行ったので併せて報告する。

対象および方法

対象

2015年度職域歯科保健活動参加者のうち某健康保険組合被保険者の783名(男性521名、女性262名)とした。(表1)

倫理的配慮として、本研究は同意が得られた健康保険組合から匿名化したデータの提供を受け、これを分析に用いた。

調査項目

■細菌数測定
■細菌数測定レベル別 歯みがき習慣
 歯みがき2回以上の者
歯間部清掃器具使用者(1回以上
/週)
 洗口液使用者(1回以上/週)
■細菌数測定レベル別 口腔保健状況
 歯肉健康者、歯垢付着状態良好者、歯石沈着状態良好者
■実施後アンケート
 ①口腔ケアの重要性を認識するために役に立ったか
 ②理解したことは何か
 ③今後実行しようと思ったことは何か
 ④次回も細菌数測定を希望するか

調査方法

細菌数測定

口腔細菌数測定装置「細菌カウンタ®」(パナソニックヘルスケア株式会社)を使用し、採取方法は綿棒を用いて舌背中央部から検体を採取し、レベル1(良好)~レベル7(不良)の7段階に分類した。

歯みがき習慣

歯みがき回数、歯間部清掃器具使用習慣、洗口液使用習慣は歯科保健指導時に直接本人から聞き取り記録した。

口腔保健状況

3項目については以下の基準とした。

■歯肉健康者      CPI判定基準(指定歯法)コード0およびコード2の内、出血所見なしの者
■歯垢付着状態良好者  OHI判定基準 DI01の者
■歯石沈着状態良好者  OHI判定基準 CI01の者

実施後アンケート

対象者783名の内、協力を得られた170名に歯科保健指導実施後、質問紙により回答してもらった。

 

結果および考察

細菌数測定

レベル5325名(41.5%)と最も多く、レベル7は該当者なしであった。レベル1は対象者1名のため評価対象外とした。(表2

細菌数測定レベル別歯みがき習慣

歯みがき2回以上の者と歯間部清掃器具使用者は、レベル別の差はほとんどなかったが、洗口液使用者は、レベル242.3%、レベル3⇒38.8%、レベル4⇒34.4%、レベル5⇒26.8%、レベル622.7%と、レベルが低いと使用率が高い傾向であった。(図1)

 

細菌数測定レベル別口腔保健状況

歯肉健康者率、歯垢付着状態良好者率、歯石沈着状態良好者率は、いずれも、レベル2において34.6%、84.6%、73.1%と最も高く、レベル46へと移行するに従い、良好者の割合は減少する傾向を示した。(2

 

実施後アンケート

①口腔ケアの重要性を認識するために役に立ったと回答した者は97.1%であった。②実施して理解したことでは「口腔ケアの重要性」65.3%、「口腔細菌の存在」60.6%が多く、③今後実行しようと思ったことでは「歯みがき方法の見直し」66.5%が最も高く、次いで「薬用洗口液」43.5%、「歯科医院への受診」38.8%、「デンタルフロスや歯間ブラシ」38.2%、「舌ケア」32.9%であった。④次回も細菌数測定を希望すると回答した者は94.1%であった。(3 

以上のことから、細菌数レベルを数値で表示することにより口腔の健康に対する関心度が高まり、セルフケアの見直し等の口腔保健行動の動機づけになると推察される。

結論

今回の調査から、細菌数測定レベルの低い者に洗口液使用者、歯肉健康者、歯垢付着状態良好者の多いことが認められた。また、細菌数測定レベルと歯垢付着量とが比例していることから、歯みがき2回以上および歯間部清掃器具の使用とともに洗口液を用いた口腔清掃が、歯垢付着量と細菌数のコントロールに効果があることを確認できた。

細菌数測定は参加者の満足度も高く、口腔ケアの動機づけに効果が期待できることから、今後も、細菌数測定を併用した歯科保健指導を推進し、さらに調査研究を継続していきたい。

 

以上です。

貴重なお時間を割き、お読み下さいましてありがとうございました。

 

お問い合わせ:日本口腔保健協会 東京事業部 福田 03-3818-4158

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