日本歯科衛生学会でポスター発表しました

レポート

2017年9月16日~18日において、日本歯科衛生学会第12回大会が開催されました。
大会メインテーマ:「健康で長生き、上手に老いるために」
詳細は日本歯科衛生士会HPへ

日本口腔保健協会では
職域歯科保健活動における口腔細菌数測定の活用効果の検討」
という題目で、
ポスター発表をいたしました。
発表内容をご紹介いたします。

 

目的

職域歯科保健活動においては、口腔の健康増進を目的としたセルフケア支援が重要であり、動機づけとして、口腔細菌数測定(以下、「細菌数測定」という)の活用効果を検討している。前回の報告では、細菌数測定レベルが良好な者は、DI値(プラーク指数)0~1の者および洗口液使用者の多いことを確認した。今回は、細菌数測定結果から、年齢階級別状況、口腔清掃習慣および進行した歯周炎(歯周病)との関連を調べ、若干の知見を得たので報告する。

対象および方法

調査対象者

2016年度職域歯科保健活動において細菌数測定を実施したA健保組合の男性2,045名とした。

対象者の年齢階級別内訳

倫理的配慮として、本研究は同意が得られたA健保組合から、匿名化したデータの提供を受け、これを分析に用いた。

調査項目

■年齢階級別・細菌数測定レベル

■年齢階級別・細菌数測定レベル別の口腔清掃習慣

(歯みがき回数、歯間部清掃、洗口液使用、舌ケア)

■年齢階級別・細菌数測定レベル別の歯周病(歯周ポケット4㎜以上)の者の状況

 

調査方法

細菌数測定レベル

口腔細菌数測定装置「細菌カウンタ®」(パナソニックヘルスケア株式会社)を使用し、採取方法は綿棒を用いて舌背中央部から検体を採取し、レベル1~4を「良好群」、レベル5を「やや不良群」、レベル6~7を「不良群」とし、3つに分類した。

口腔清掃習慣

歯みがき回数、歯間部清掃、洗口液使用、舌ケアについて、直接本人から聞き取り記録した。

■歯間部清掃:デンタルフロスおよび歯間ブラシ使用者(1回以上/週)

■洗口液使用:洗口液使用者(1回以上/週)

■舌ケア:舌ブラシおよび歯ブラシによる舌清掃者(1回以上/週)

 

歯周病の者 CPI判定基準(指定歯法)によりコード3、4の者とした。

 

結果および考察

年齢階級別・細菌数測定レベル 

各年代ともにレベル5が最も多く、29歳以下⇒42.4%、30歳代⇒39.3%、40歳代⇒43.6%、50歳代⇒44.4%であった。次いでレベル6、レベル4の順に多かった。また、レベル1~4の良好群では29歳以下で多く、レベル6~7の不良群は年齢が高くなるにつれて増加し、50歳代で最も多いことが認められた(図1)。

細菌測定レベル別・口腔清掃習慣 

レベル別の歯みがき回数1日2回以上の者と歯間部清掃者の割合では、大きな差は認められなかった(図2、図3)。

洗口液使用者の割合は、全体および各年代ともに良好群において高い傾向が認められた(図4)。

舌ケア実施者の割合は、全体および各年代ともに良好群で高く、良好群全体で35.4%であったのに対し、不良群全体では12.8%であり、他の口腔清掃習慣に比べ、実施の有無における差の大きいことが認められた(図5)。

細菌測定レベル別・歯周病の者の割合 

歯周病の者の割合は、年代が高くなるにつれて増加しているが、全体および各年代とも良好群に比べて不良群が高い割合を示した(図6)。

結論

今回の調査結果から、職域成人の口腔細菌数レベルは各年齢階級ともレベル5(やや不良群)の多いことが認められた。また、口腔清掃習慣として定着している1日2回以上の歯みがきや歯間部清掃によるレベルの差は少なかったが、洗口液使用や舌ケア実施者においてはレベル1~4の良好群が多く、歯周病の者にはレベル6~7の不良群の多いことが認められた。

これらのことから、口腔細菌数レベルの改善を動機づけとして活用し、歯みがきや歯間部清掃器具に加え、個人の口腔保健状況や口腔細菌数レベルに応じ、洗口液使用や舌ケアを取り入れたセルフケア支援が効果的であることが確認できた。今後も、セルフケア向上の動機づけとして細菌数測定を活用し、職域における歯科保健活動の充実を図りたい。

 

以上です。

貴重なお時間を割き、お読みくださいましてありがとうございました。

お問い合わせ:日本口腔保健協会東京事業部 児玉 03-3818-4158

 

 

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