「口からはじまる全身の健康」研修会を開催しました
レポート
テーマ:‐口からはじまる全身の健康
2017年10月20日(金)14:30~17:00
富士ソフト・アキバプラザにて、日本口腔保健協会主催「保健事業推進研修会」を開催しました。
会場は満席で大盛況。参加者の声は最後にご紹介します。
講演1 健康・医療情報のチェックポイント「つくる・つたえる・つかう」の視点から
講師 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野 教授 中山健夫氏
「根拠に目を向けることが大事」
健康や医療に関する情報は、さまざまな形で世の中にあふれています。何が正しいのか、何を信じたらよいのかわからないというのが、現代人の共通の悩みといえます。
適切な判断をするためには、情報の「根拠」に目を向けることです。
どんな「根拠」からの話しかわかれば、その情報の信頼性がおおよそ決まります。
講演2 歯周病がアルツハイマー症を悪化させる?
講師 日本大学特任教授 落合邦康氏
「歯周病予防は、体の健康だけではなく、心(脳)の健康に役立つ」
歯周病が糖尿病、動脈硬化、早産や誤嚥性肺炎など多くの全身疾患の誘因となることは広く知られるようになりました。
糖尿病、高血圧、脂質異常、肥満等の生活習慣病は、アルツハイマー症のリスク因子といわれていますが、最近の実験結果から、歯周病もまた、アルツハイマー症の病態へ関連している可能性が示唆されました。
話題提供 歯科保健指導の展開 -歯科保健事業の目標-
日本口腔保健協会 保健事業部長 小山圭子
「歯科保健事業には目標設定が重要」
厚生労働省の平成28年歯科疾患実態調査の結果から、全ての年代で、重症な歯周病が増加しているという実態が明らかになっています。
日本口腔保健協会では、永年にわたり、歯科保健事業に取り組んでおりますが、「健康日本21」の口腔に関する項目の目標値に着目し、その達成に向けた歯科保健指導に重点を置いています。
その結果、歯科健診参加者の歯肉の状態について、平成16年度と平成25年度の状況を比較すると、歯周病が減少し、健康な歯肉の者が増加していることがわかりました。
具体的な目標値の設定と、その実現に重点を置いた歯科保健指導は、効率が良く、大変効果的です。今後も振返りと目標の再設定を継続し、効果的な歯科保健事業を推進してまいります。
「口腔細菌数カウンタ」体験
口腔細菌数を1分で測定し7段階のフェイスマークで表示します。
研修会参加者の声をご紹介します
健康番組が多くよく見ていて、いつもすぐにダマされていると思う。深く考えずに生活に取り入れている事も多いなと思いました。気をつけようと。情報の見分け方がわかってよかった。
歯周病の影響は少しは理解していたつもりであったが、更に全身への影響を再確認した。
情報量の多い中で、エビデンスを基に比べて得ていくこと必要であることを改めて学んだ。
歯の健康へのアプローチが明確になり対応していきたい。
次回も役立つ最新情報を企画いたします! お楽しみに。
お問い合わせ 日本口腔保健協会 保健事業部 小山 03-3818-4158