糖尿病と口腔保健

糖尿病の歴史

この記念切手は第15回国際糖尿病会議(1994年:神戸開催)を記念して発行されたもので、源氏物語絵巻からとった光源氏の絵であり、わが国の糖尿病第一号、藤原道長といわれています。六角形のイラストはインスリン結晶のイメージです。藤原道長が栄華を極めた53歳ころに詠んだ歌「望月~この世をば我がよとぞ思う望月の欠けたることのなしと思えば~」がありますが、このころすでに、「近寄れど汝の顔よく見えず」と側近に告白するほど、糖尿病網膜症で視力が低下していたそうです。そして62歳で背中の皮膚感染症から起きた敗血症で亡くなっています。家族歴から推察すると平安貴族の社会には糖尿病はかなり高率に存在した可能性が高いようです。
また、ローマの書物(約2000年前)にも、「手や足が溶け出す」「腎臓と膀胱がやられる」「水道のように尿が出る」「水を飲まないと体がひからびて死に至る」という表現があり、腎臓障害、口渇、多飲、多尿など、現代の医学書とあまり変わらない記載内容です。

糖尿病の脅威

日本では・・・

糖尿病が強く疑われる人が約890万人、糖尿病の可能性を否定できない人が約1,320万人おり、合わせて約2,210万人になります。特に40歳以上においては3人に1人が糖尿病または糖尿病予備群に該当し、年々増加しています。(2007年国民健康・栄養調査)

世界的には・・・

2007年現在、糖尿病は世界の成人人口の約5~6%が抱えており、2025年には3億8, 000万人に達すると予想され、特にアジア、中東、アフリカ、南アメリカでは2倍になると予測されています。

※この数字には、糖尿病が進行することで発病する合併症等の間接的死亡率を含んでいません。

資料:世界糖尿病デー実行委員会:日本糖尿病学会・日本糖尿病協会2007年8月7日掲載文より

このような状況を踏まえ、国際連合(国連)は、IDF(国際糖尿病連合:現在約150カ国が加盟)が要請してきた「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」を2006年12月20日に国連総会議で採択し、同時に11月14日を「世界糖尿病デー」に指定しています。
11月14日は、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発運動を推進することを呼びかける日として、国連及び主要国で様々なイベントが開催されます。

糖尿病と歯周病の関係

合併症の病気「糖尿病」

糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続くことで血管が傷つき、それによって末梢神経や腎臓、目の網膜など、さまざまな器官や臓器に異常が現れる病気です。
おもな合併症は・・・

1.腎症 2.網膜症 3.神経障害 4.大血管障害 5.小血管障害 6.歯周病

歯周病は糖尿病の6番目の合併症といわれ、糖尿病の方はむし歯や歯周病が重症化していることが多く、現在歯も少ない傾向があります。

資料:糖尿病者と非糖尿病者における歯周病の重症度の比較(Nelson et  al 1990)

※アタッチメントロスとは、歯周病などが原因で歯肉の位置が下がること。

歯周病治療で血糖値が改善されます

歯周病が糖尿病を悪化させることが分かってきており、歯周病を治療することで、TNF-αが抑えられ、インスリンのはたらきが活発になり、血糖コントロールが改善されることになります。実際に糖尿病患者に歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が減少し、血糖値の改善が認められたことが報告されています。

資料:糖尿病と歯周病の深い関係が明らかに(西村英紀)‐nikkeibp健康シリーズ:歯周病と全身への影響より‐

※TNF-αとは、炎症性のサイトカインの1つです。
※HbA1cとは、長期的な血糖値を判断するバロメーターです。

糖尿病のお役立ち情報

日本糖尿病対策推進会議のポスター

食事に気をつけても、運動に励んでも血糖値が下がらない。
それ、悪いのはあなたではなく、歯ぐきかもしれません。

2012年4月1日よりヘモグロビンA1cの値は、国際標準化されています。

JDS値(Japan Diabetes Society)から、NGSP値(National Glycohemoglobin Standerdization program)に変更されます。以前の数値(JDS値)と比較するときは、およそ0.4%マイナスして読み取ることになります。
詳しくは下記URLをご覧ください。

糖尿病の基礎知識

厚生労働省に「糖尿病ホームページ」にイラスト入りのわかりやすい情報が掲載されていますので、ぜひ参考にしてください。

糖尿病の予防のためのワンポイントアドバイス

医師と歯科医師の連携

日本糖尿病協会と日本歯科医師会では、糖尿病・歯周病のある方に対して、療養指導医や歯科医師を紹介するなどの医科歯科連携を行い、効果的な予防・治療対策を推進しています。
糖尿病の方に、歯周病の治療・管理を行うことにより、血糖コントロールが改善されるとの報告もあり、医科歯科相互に与える影響が大きく、両者に密接な関係があることが年々明らかになってきおります。
日本糖尿病協会ホームページから、糖尿病をサポートする歯科医院が検索できます。

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